電子書籍が読みにくい理由や読みやすくする為の対処法

手軽で便利な電子書籍ですが、読んでいると「なんだか読みにくいような感じがする」と気になったことはありませんか?

実はこのような現象は「たまたま」ではありません。

電子書籍を読みにくいと感じることは、きちんとした理由があるのです。

そこで楽しい電子書籍ライフを送るために、この記事で読みにくい理由と対策をチェックしていきましょう。

電子書籍が読みにくい理由とは

早速ですが、電子書籍が読みにくいと感じることには、以下の4つの原因があると考えられています。

それぞれ順番にご紹介します。

液晶画面を見ること目の疲れ

もっとも体感しやすいであろう読みにくい原因は、ずばり「液晶画面を長時間見つめるため目が疲れやすいこと」です。

電子書籍を楽しむ際には、電子書籍リーダー、スマートフォン、タブレットやパソコンといったデバイスにより閲覧します。

紙の本と異なり、これらのデバイスの画面は自ら光を放っており、目への刺激は強烈です。

読書をしているだけで自然と目が疲れやすくなり、ひいては読みにくいと感じてしまいます。

さらに、日常でスマホを毎日見る方が多いでしょう。

普段からスマートフォンやタブレット、コンピュータなどの端末を長時間使用していると、目が疲れている状態になります。

この状態でさらに電子書籍を読むと、さらに目の疲れが増し集中力が低下してしまい、その結果読みにくいと感じるのです。

画面や文字サイズが小さい

特にスマートフォンを使って電子書籍を読む場合には「画面の小ささ」も読みづらさの原因です。

人間は、小さな文字や図表を見ようとした時、目の筋肉を強く収縮させて視界のピントを合わせています。

この筋肉の収縮した状態は目にとって大きなストレスで、長時間続くと疲れや一時的な近視を招きます。

長く電子書籍を楽しんでいる時に、突然「少し目の焦点が合いにくい」と読みにくく感じるのは、この目の緊張が理由です。

紙とは違う読み方が原因

電子デバイスに慣れていない方にありがちなのが「紙とは違う操作に気を取られること」で読みにくいと感じるケースです。

紙の書籍であれば、誰でもページをペラリとめくるだけでスムーズに読めます。

しかし、電子書籍はタップやスワイプなど、電子デバイスならではの操作を駆使して閲覧します。

ズームはこうして、ページ送りはこのような操作で、といちいち操作に気を取られてしまっては、なかなか読書に集中できません。

特に長年紙の本しか読んでいない方にとっては、慣れにくい部分がたくさんあるので、読みにくいと感じているのであればストレスも関係してくるでしょう。

紙よりも記憶に残らない

「電子書籍を読んだ時、紙の本よりも記憶に残りにくいような」と感じた経験はありませんか?

電子書籍は紙の本に比べて記憶に残りにくいと感じる人が多いですが、これは、画面を通じて読むことが、紙の本を読む時とは異なる脳の働きを引き起こすためと言われています。

紙の本では、ページの物理的な位置や、手で触れる感覚が記憶に助けになりますが、電子書籍ではこれらの物理的な手がかりがないため、内容の記憶が難しくなることがあります。

また、この現象は研究結果として科学的に報告されています。

同じ内容の文章を紙と電子で読んだ時に、理解力や記憶力にどのような差が出るのかが研究されました。

結果、紙の方が理解力や記憶力の面で有利に働くと明らかにされています。

これも、電子書籍を閲覧していて「なんだかイマイチ頭に入らず読みにくい」と感じる原因です。

詳細:表示媒体が文章理解と記憶に及ぼす影響―電子書籍端末と紙媒体の比較― | CiNii Research

電子書籍を快適に読みやすくする対処法

電子書籍は紙よりも読書しにくいと感じるのはある程度仕方ない部分もあります。

しかし事前に対策をすれば読みやすくなるので、ここではおすすめの対処法をご紹介します。

読みやすい電子書籍を選ぶ

電子書籍のなかには「読みやすい」という声の多い作品も存在します。

それは「リフロー型」と呼ばれる電子書籍です。

リフロー型の電子書籍とは、自分の使うデバイスの画面サイズや文字サイズ、解像度などに合わせて、自動的に最適なレイアウト表示に調節される作品です。

詳細:JEPA|日本電子出版協会 リフロー型電子書籍とは?

例えば文字サイズを上げると、1ページ辺りの文字数が自動的に減少し、視覚的に閲覧しやすい形をできるだけ維持してくれます。

読みにくいと感じる機会が激減するため、おすすめです。

リフロー型は、ほとんどが文字で構成された小説やビジネス本など、画像をあまり含まない電子書籍に採用されています。

電子書籍の読みづらさが気になる方は、リフロー型の作品に絞って購入するのも良いでしょう。

漫画などは残念ながらフィックス型と呼ばれる仕様になっているのがほとんどです。

なので、漫画などは紙書籍で読む、文字主体の書籍は電子で読む、と上手に使い分けをするのもおすすめです。

専用端末を使って読む

一番おすすめなのは、電子書籍専門の端末である「電子書籍リーダー」を使用することです。

一般的に、スマホやタブレットには発色の鮮やかさを重視して明るいライトが搭載されています。

逆に、電子書籍リーダーは目の刺激を和らげるために強い光を採用していません。

Amazonの「Kindle PaperWhite」のように、紙同然の使用感をうたうものもあり、視覚的な負担を劇的に抑えられます。

詳細:Amazon.co.jp : kindle paperwhite

読みやすくサイズの調整をする

電子書籍が「読みにくい」と感じたまま読書を続けるのはストレスの原因にもなります。

よって、自分が閲覧しやすいように簡単なことですが「文字サイズを変更」することも大切です。

ほとんどの電子書籍は、設定画面から書籍の文字サイズを変更できます。

普段よりも少し大きめに設定することで、目の筋肉の緊張を和らげ、疲れにくく読みやすい読書を実現できるでしょう。

読みやすい明るさに調整

文字サイズの変更と一緒に、画面の明るさも調節しておきましょう。

画面が明るすぎたり暗すぎたりすれば、当然、目への刺激が強くなり読みづらさを感じてしまいます。

目に飛び込んでくる光の量を減らすために、できるだけデバイスの明るさは落とし、暗いと感じる場合には室内の照明を明るくするのがおすすめです。

また、画面の反射や光の反射は、目に負担をかける要因の一つです。

特に屋外や明るい場所での読書は、反射光が目に直接入り込むため、目の疲労がさらに増します。

なので、デバイスの明るさに調整だけではなく、電子書籍を読む場所なども気を遣うといいでしょう。

ブルーライト対策を行う

明るさの調節に付随して、ブルーライト対策も行えると完璧です。

何かと目に悪いと話題になるブルーライトですが、近頃はブルーライトをカットするためのグッズがあります。

例えばメガネ、専用アプリ、フィルムなどが市販されており、個人でも十分な対策をしやすくなっています。

このようなグッズを積極的に活用することで、目の疲れを軽減し読みにくいという不満を解消させます。

また、自分の使っているデバイスに「夜間モード」などがある場合は、機能をONにするだけで視覚的な負担を減らせるため、ぜひ試してみてください。

読む姿勢に気を付ける

デバイス側の設定にしっかりと気を配れたのなら、自分の読む姿勢にも注意が必要です。

「紙の本は机に向かって読むのに、電子書籍はスマホで頬杖をついて読んでいる」なんてことはありませんか?

電子書籍はその手軽さゆえに、適当な姿勢のまま読書を開始してしまいがちです。

しかし、適当な姿勢では身体が痛くなったり、集中力が途切れたりします。

読みにくいと感じないためには、本と同じように、自分の楽な姿勢をきちんと取りましょう。

適度な休憩を入れる

電子書籍を快適に読むためには、適度な休憩を入れることが重要です。

長時間画面を見続けると、目の疲れや肩こり、頭痛などの原因となることがあります。

特に目の健康を保つためには、20分ごとに20秒間、20フィート(約6メートル)先を見る「20-20-20ルール」を実践することが推奨されます。

このルールに従うことで、目の緊張をほぐし、疲労を軽減することができます。

また、ストレッチや軽い体操を取り入れることで、血行を促進し、全身のリフレッシュにつながります。

読書中に姿勢を変えることも重要です。適度な休憩を取ることで、集中力を維持しながら快適に電子書籍を楽しむことができます。

電子書籍が読みにくい理由まとめ

電子書籍の利用が便利で手軽ではありますが、読みにくいと感じる人が多いのはなぜでしょうか。

その大きな理由はいくつかあり、液晶画面による目の疲れ、小さな画面で読む、紙の本とは異なる操作に慣れないなどの理由があります。

また、電子書籍は紙の本に比べて記憶に残りにくいと言われており、このようなことも読みにくい理由とされています。

読みにくさを軽減するためには、いくつか方法がありますがリフロー型の電子書籍を選ぶことで、自動的に最適なレイアウトに調整され、視覚的に閲覧しやすくなります。

また、専用の電子書籍リーダーや文字サイズの調整や画面の明るさの設定、ブルーライト対策を行うことで、目の疲れを軽減できます。

読書姿勢に注意し、適度な休憩を入れることも重要です。

これらの対策を講じることで、電子書籍でも快適に読書を楽しむことができます。